一般社団法人 日本医療情報学会

[3-P-6-01] コミュニケーションツールとスプレッドシートを用いた病床管理システムの構築

*水口 和也1、小田 幸司1、平松 玉江1、安川 恵美子1、片桐 奈緒1、青柳 吉博1、土井 俊彦1 (1.国立がん研究センター東病院)

Nursing works, Communication Tools, Bed management

[背景]
患者の入退院や治療の状況を把握しながら限られたベッドを効率よく運用することが求められる病床管理に関わる工数は、COVID-19の影響による病床の圧迫も重なり、さらに顕在化している。
[目的]
日々の病床管理において看護師長らは当該科病棟に空床がないことや緊急入院対応に難渋していた。また、既存のアプリケーションでは看護師の経験則による予測値が反映出来ないことから、今回Microsoft TeamsおよびExcelを用いて病床管理を効率的に行うためのシステム構築を行った。
[方法]
病床管理システムはExcelとTeamsを組み合わせ、TeamsにはMicrosoft社が公開している「Incoming Webhook」を設定した。Incoming Webhookは外部アプリケーションからコンテンツをTeamsチャンネル内に共有することが可能となる。病床管理システム導入による看護業務の評価は、全10病棟の病床調整を行う看護師が平日5日(月~金曜日)で病床調整に費やした時間を集計しその平均値で評価した。また、病床管理への影響に関しては平均在院患者数、病床稼働率で行った。
[結果]
看護師が1週間で病床調整に費やした時間は、2020年度調査では192分/日に対して病床管理システム利用後は116.4分/日と39.4%の削減となった。425床のベッドに対して平均在院患者数は前年度より若干の増加(402.9人→406.4人)、病床稼働率は病床管理システム稼働前と同等であった。
[考察]
新たに構築した病床管理システムによって、看護師の病床調整に費やす時間の削減が行えた。これにより病床調整を担当する看護師は他の業務で時間を利用する事が出来たと考えられる。また、新しい病床管理システムによるマイナス影響は見られなかったことから、病床管理は滞りなく行えていると考えられる。