Japan Association for Medical Informatics

[3-P-6-06] 介護老人保健施設の看護職が看護サマリーを通して 授受している情報に関する実態調査

*Haruka Okabe1, Masako Shomura1, Masamichi Ogura1, Daisuke Sakurai1, Hideaki Matsuki1, Mitsuko Nakashima2 (1.東海大学医学部看護学科, 2. 東京医療保健大学大学院)

long-term care health facilities, nurse, information, nursing summary

目的:本研究の目的は、介護老人保健施設(老健)が施設間で共有する医療に関する情報の授受についての実態を、老健に所属している看護職の観点から明らかにすることである。 方法:対象は関東圏内の老健12施設に所属する臨床経験3年以上の看護職である。調査は2020年8月~2021年9月に、先行研究を基に独自に作成した無記名自記式質問紙を用い、看護サマリーの使用状況等の内容を抽出した。調査項目は他の病院や介護施設、訪問看護ステーション等から移行した利用者・家族と看護職との医療に関する情報の授受における問題点、看護サマリーで優先的にみている項目等である。分析は項目毎に単純集計を行い、統計解析にはIBM SPSS Ver26を用いた。 結果:関東圏内の老健12施設の看護職に配布した結果103部中49部(回答率47.6%)の回答が得られ、全てを有効回答とした。看護職が看護サマリーのみでは対応困難だった主な項目は、上位より、処置42.9%、利用者/家族との関わり方38.8%、日常生活【全般】36.7%であった。看護サマリーを見る際にとても重要視している項目は、上位より、アレルギー75.5%、感染症73.5%、診断名67.3%であった。退院時に伝達してほしい情報は、上位より、処置89.8%、感染症87.8%、アレルギー81.6%であった。 考察:対応困難だった項目は患者の生活や家族に関する内容であった。また、重要視している項目や伝達してほしいことは、病気や処置に関する情報であった。老健に転院する際には、患者の生活や家族に関する内容を伝達することを考慮し、過去から現在の病状を含めて患者全体が理解できるような記載を心がけることが求められていた。今後の課題は、対応困難だった項目、重要視している項目、伝達してほしい項目において、結果が乖離する要因分析などが必要だと考えられた。