一般社団法人 日本医療情報学会

[4-A-1-01] 添付文書の電子化・バーコード表示義務化の次を考える
- e添文・バーコード表示は単なる始まり。医療への貢献を考えたい! -

*中井 清人1 (1. 厚生労働省)

e-labeling, barcoding, amendment of the Law, data health, e-prescription

近年では、科学技術の進展に伴い、創薬環境も大きく変貌しています。ベンチャー・アカデミアとのアライアンスによる開発、バイオ製品によるアンメットメディカルニーズを対象とした創薬が増えてきています。この様な製品では、市販前に大規模な治験を行うことは難しく、市販前の開発段階から市販後の育薬を見据えた開発が求められています。
 医薬品を、より安全で効果があり、使いやすいものへと育てていくことが育薬です。医薬品の価値を最大にするためには、承認取得後にも実使用時の情報の調査・収集を絶えず行うことが必要です。医薬品の使用を必要とする個々の患者さんに対して、医療の現場で現に実践されてきた結果である医療情報に基づいて、医薬品の持つ価値を最大化・最適化していくことが求められています。
 2019年12月には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)が改正され、条件付き早期承認制度、先駆け審査指定制度の法制化などの新たな承認審査制度の創設、市販後安全対策における添付文書の電子化やバーコード表示の義務化などが定められました。
 また、データヘルスの推進が大きく歌われており、データヘルスの集中改革プランが出され、オンライン資格確認等システムやマイナンバー制度等の既存インフラを最大限に活用して、令和3年に必要な法制上の対応等を行った上で令和4年度中に運用を開始するとされています。
 本講演では、薬機法改正により導入された添付文書の電子化、また、本年12月に義務化予定のバーコード表示について、現況を概括するとともに、あるべき姿、医療現場が求めているものについて、今後どのように進めて行くべきかについて大きく私見を交えながら想いを述べたいと思います。また、データヘルスの推進についてもその概況を紹介し、これらも交えたあるべき姿についても言及したい。