Japan Association for Medical Informatics

[4-A-3-02] 医療DXを進める電子処方箋

*Arakaki Yoshihito1 (1. Japanese Association of Healthcare Information Systems Industry, Business Planning Promotion Office)

  デジタル庁が掲げる「デジタル社会が目指すビジョン」の中に、「一人一人の状況にあった健康・医療・福祉サービス」の必要性が真っ先に謳われており、厚生労働省におきましても「データヘルス改革」を力強く牽引され、オンライン資格確認や電子処方箋の実装など様々な施策が、同時並行で動き出している。
  令和3年10月からはオンライン資格確認等システムの本格運用が開始され、医療機関等での医療保険の資格確認のほか薬剤情報や特定健診情報の確認が可能になり、次のステップとして電子処方箋の仕組みが、マイナンバーカードと健康保険証を利用した「オンライン資格確認サービス」の既存のインフラを最大限に活用することが要件に掲げられ着々と整備が進められている。
  現在、電子処方箋の運用開始を控えて、システムや運用面の検証等を行うために準備が進められ、令和4年10月末よりモデル事業が開始している。医療機関・薬局等における運用プロセスやトラブル・問合せ対応を確立するとともに、電子処方箋の活用方法の展開を行うなど、モデル事業は令和5年1月の電子処方箋管理サービスの運用開始前の重要な検証プロセスと位置づけられている。
  今回の産官学企画セッションでは、電子処方箋の普及・促進に向けて、ベンダ側の視点で「電子処方箋の活用が進むと、どのようなメリットが得られるのか?」電子処方箋のメリットについて説明するとともに、産業界として電子処方箋を一歩先に進めた将来の期待についても触れる。また、重要な検証プロセス「モデル事業」などを通して明らかになった改善すべき点など、医療現場のベンダ側の視点から電子処方箋に関連する医療現場での想定される課題や運用上の留意点などについて報告する。