一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-1-02] 医療情報の立場から見たアラート疲労の課題

*武田 理宏1、西川 満則3、北村 温美2 (1. 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学、2. 大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部、3. 大阪大学医学部附属病院薬剤部)

Medical Safety, Physician Order Entry System, Alert Fatigue

医療安全への貢献は、医療情報システムが果たすべき大きな役割の一つである。薬剤オーダ時に、禁忌・アレルギー薬オーダに対するアラートは古くから実装される機能である。近年では、B型肝炎ウイルス再活性化予防に関するアラートなど、医療現場のニーズに合わせて新しいアラート機能が実装されている。管理者の要望に従い、アラートは増えることはあっても、アラートを減らそうとする取り組みは、意識をしないと行うことができない。 医療安全領域では、アラート疲労という言葉が知られている。重要度の低いアラート表示が過多になることでアラート疲労となり、重要なアラートであっても見逃しが生じる可能性がある。アラート疲労を防止するためには、適切な相手に、適切なタイミングで、重要度の高いアラートを表示させる必要がある。現行の医療情報システムがこれらの観点で設計されているとは言い難い。また、現行の医療情報システムでは、アラート設定を行う医療情報担当者や薬剤マスタ管理者が、臨床の現場でどのような頻度で薬剤アラートが表示され、不適切なアラート処理が発生しているか把握することは困難である。 本発表では、医療情報の立場から見たアラート疲労の課題について、報告する。