一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-2-03] チームで取り組むICD-11和訳作業

*井上 茂亮1、一二三 亨2、中村 謙介3、藤田 基4、平良 隆行5、近藤 豊6、上田 吉弘7、辻 友篤8、世良 俊樹9、北原 理10、篠原 奈都代11、中原 慎二12、三浦 邦久13、鍬方 安行14 (1. 神戸大学大学院医学研究科外科系講座 災害・救急医学分野 先進救命救急医学部門、2. 聖路加国際病院救急部、3. 帝京大学病院 救命救急センター、4. 山口大学大学院医学系研究科 救急・総合診療医学講座、5. 琉球大学病院 救急部、6. 順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科、7. 東京大学医学部附属病院 救急科、8. 東海大学医学部救命救急医学、9. 県立広島病院 救命救急センター、10. 大船中央病院 救急科、11. 岡山赤十字病院 救急科、12. 神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーション研究科、13. 東京曳舟病院 救急科、14. 関西医科大学救急医学講座)

The International Classification of Diseases, World Health Organization, Mortality and Morbidity statistics

背景:厚生労働省国際分類情報管理室より「質病および関連保険門あいの国際統計分類」の第11回改訂版(ICD-11)に関する和訳作業の依頼を受けて、日本救急医学会用語委員会では約半年にわたり作業を実施した。本発表ではその作業過程と作業における工夫を共有する。 1) Mortality and Morbidity statistics (MMS)版和訳・確認作業:対象用語数913項目。2021年6月から7月まで、13名の用語委員会委員で分担し作業を実施した。最終工程で用語の調整などを行った後に、厚生労働省に提出した。作業実施において大きな問題は生じなかった。 2)Foundation版和訳・確認作業:対象用語数3456項目(うち新規翻訳760項目)であり、用語委員会のみでは分担困難であると判断した。このため各委員に3名のタスクフォースメンバーを推薦してもらい、13チーム、52名の組織にて作業を実施した。2021年10月より1ヶ月にわたり各チーム(委員:チームリーダー1名、タスクフォースメンバー3名)約266項目の分担作業を行うこととなった。作業に先駆け、zoomにて班員全員を対象としたkick-off meetingを行い、作業工程と役割分担を説明し情報共有を行った。各メンバーの作業分配は各委員のチームに一任したが、同一作業員が新規翻訳とその部分の確認作業を行わないことをルールとした。作業実施において大きな問題は生じず、最終工程で用語の調整などを行った後に、厚生労働省に提出した。 結語:日本救急医学会 用語委員会において4369項目のICD-11和訳作業を実施した。膨大な作業量であったが、1)一人あたりの作業負担を軽減するためにタスクフォースメンバーを募りチームを形成したこと、2)各委員のリーダーシップと実行力を発揮してくれたことで、大きな問題なく作業を完遂することができた。