一般社団法人 日本医療情報学会

[4-D-1-01] 放射線部門における医療安全業務の洗い出し

*川眞田 実1 (1. 大阪国際がんセンター)

診療放射線技師を取り巻く環境は東日本大震災を機に国民の放射線に関するニーズの増大と多様化、チーム医療の推進による業務の拡大などにより大きく変化し、求められる役割や知識についても変化が求められている。このような状況を踏まえ、厚生労働省では質の高い診療放射線技師を育成するため、平成30年3月に「診療放射線技師学校養成所カリキュラム改善検討会」を開催し、令和3年3月31日付けで診療放射線技師学校養成所指定規則の一部を改正する省令が公布され、それに伴い、診療放射線技師養成所指導ガイドラインが通知され4月1日より適用されている。
本ガイドラインでは教育内容や単位数などの見直しが行われた。医療安全の分野では「事故の対策、発生時の対応等、問題解決能力を養う」、「医療安全の基礎知識を身につけ、医療事故や院内感染の発生原因とその対応について学習する」「医療機器および造影剤を含む医薬品に関わる安全管理を理解する」等の文面が追加された。しかしながら、放射線部門の現場においては個人の知識や経験に基づく対応が多くエビデンスも少ない状況であることから、教育現場へのフィードバックはなかなか厳しいと考えられる。
今回の講演では放射線診断・治療領域(対象モダリティーは一般撮影・CT・MR・アンギオ・放射線治療領域)においてUMLを用いてのワークフローを描画し業務の洗い出しを行い、それぞれの業務についての関連度と影響度を導き出すためにグラフ理論を応用したISM(Interpretive Structural Modeling)法にて解析を行った結果報告を行う。 本結果を受けて、放射線分野における医療安全対策について議論を深めたい。