Japan Association for Medical Informatics

[4-D-2-05] 汎用型FHIRインターフェース(IPCIコンセプト)を電子カルテに直結した院外調剤薬局との電子処方箋および病名、トレーシングレポート交換機能の実装と運用

*Kota Torikai1, Masaki Abe2, Takuya Araki3, Rei Noguchi1, Yuichiro Saito1 (1. System Integration Center, Gunma University Hospital, 2. Pharmaceutical Department, , Gunma University Hospital, 3. Clinical Pharmacology and Therapeutics, Gunma University Graduate School of Medicine)

群馬大学医学部附属病院では2022年10月に病院情報システムの更新を行い、In-Process Clinical Intelligence (IPCI)コンセプトに基づいた電子カルテ(オーダリング)に直結したFHIRインターフェースサービスの運用(以下IPCIサーバ)を開始する。IPCIサーバの運用開始段階ではレポジトリを持たず、電子カルテサーバのデータベースから都度オーダーデータをWeb型(スクリプトベースコード)実装のサービスにより、FHIR変換処理して利用する。この運用はコンパイラやSQLを用いたアプリケーション構築に比べてハードウェア負荷が高いため、高速化を目的として電子カルテの主ストレージにIntel Optaneを採用した。非同期処理とリファクタ性を両立するフレームワークとするため、スクリプトベースのNode-REDを採用した。IPCIサーバから必要なデータ変換処理を施し、令和5年1月の運用開始が予定されている電子処方箋サービスに対応する。併せて、IPCIサーバの良好なリファクタ性を活かし、総務省5G実証事業として、院外薬局に対し、患者の承認のもとで病名等情報を薬局が閲覧可能とする試験サービス並びにトレーシングレポート電子化の試験サービスを実装し、令和4年度中に開始する予定である。IPCIサーバは今後運用要求がされるIoTデバイスなどのインターフェースサーバとして位置付ける他、アラート機能やClinical Decision Support System (CDSS)機能の実装モデルとして位置付ける。今後の展望として、退院時サマリなどのFHIRフォーマットのみならず、FHIR仕様との親和性を考慮して製作された医療ロジックスクリプトが病院施設間で流通し活用されることで、”APIの標準化”が進む社会モデルを提案したい。