Japan Association for Medical Informatics

[4-E-1-04] 医療分野でのメタバース領域の技術・サービスの進展と法規制

*Takafumi Ochiai1 (1. Atsumi & Sakai)

Web3.0が2022年6月の成長戦略の中に盛り込まれ、国内でのメタバースなどWeb3.0に関する技術開発、サービス提供に関する民間での取り組みも進みつつある。特にメタバースについては、医療分野においても、バーチャルホスピタルや分身ロボットの利用などのように仮想空間において、バーチャル空間における身体機能の拡張を進めるものや、手術の補助や研修への利用等の形でメタバースを現実空間での活動に影響を与えようとするものもある。さらに、メタバースと関連してNFT等のトークン利用技術によるコミュニティ形成を期待する活動も増加しており、医療分野においても、その応用を期待する声に接することもある。
本演題では、メタバースないしその関連技術について、医師法、薬機法等の医療規制法の関係でデジタルビジネスの一種として関連する事項を整理する。また、医療情報の利用の観点では、医療分野における個人情報保護の規律の関係や、倫理的な側面も視野にアバターなどを介した情報のやりとりに関する議論の整理も行う。そして、NFT等については、コミュニティを形成するトークンを発行する際に関係する、資金決済法、金融商品取引法などとの関係を整理しつつ、法的なトークンの証する権利ないし利益の内容についても分析を行うものである。
以上のように、メタバース領域が関連する法分野や倫理的論点は多岐に渡るが、基本的な論点を明らかにすることにより、さらなる具体的な技術、サービスの進展の際の議論の基礎の形成に寄与することを目的としている。