一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-2-04] デジタル田園健康特区における規制改革の取り組みについて

*落合 孝文1 (1. 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)

住民が参画し、住民目線で、2030年頃に実現される未来社会を先行実現することを目指すスーパーシティ構想の実現等を内容とする改正国家戦略特区法が2020年9月に施行され、その後自治体からのスーパーシティ提案の公募が進められた。ここでの各自治体の提案の中には、健康・医療分野において重要な取り組みを提案するものも多く、人口減少、少子高齢化など特に地方部で問題となっている課題に焦点を当て、先駆的に地域の課題解決を図ることを目的とするデジタル田園健康特区が設置されることとなり、茅野市、加賀市、吉備中央町の3自治体が指定された。
今後のデジタル健康特区においては、3自治体が連携し、デジタル技術を活用し健康、医療の課題解決に重点的に取り組むべく、健康医療情報の自治体を超えたデータ連携や、健康医療情報の患者本人やその家族による一元管理(医療版情報銀行)が進められ、新たな制度構築を行うことも想定されている。また、健康医療分野のタスクシフトや予防医療やAI活用やロボット利用による身体機能の拡張などについて、医療関連規制の改革も進められる。さらに、特に地域医療との関係では、移動・物流サービスとの連携、活用も重要になることから、交通分野での規制改革も求められる。 このような個別の取り組みの現在地を確認しつつ、今後のデジタル田園健康特区での規制改革の展望についても議論を行う。