Japan Association for Medical Informatics

[4-F-1-02] 対話エージェントの外見による患者の親しみやすさの認識と自己開示の関係

*Kense Todo1,2,3, Isao Kawakami3, Yuto Okaw3, Yuhei Maruyama3, Motoki Sato3, Masaki Okamoto5, Masaki Kitazawa4,3, Satoshi Takahashi1, Atsushi Yoshikawa2,3, Masayuki Yamamura2 (1. 関東学院大学理工学部, 2. 東京工業大学情報理工学院, 3. 立教大学大学院人工知能科学研究科, 4. 北澤技研, 5. ハーバード大学医学部放射線科)

medical interview, conversational agent, appearance, friendliness

対話型の問診では、患者は心理的負担が大きいため自己開示に不安を抱くとされている。そのため、人を模した対話エージェントを使用して患者の心理的負担を軽減させ、自己開示を促進する工夫が行われている。しかし、患者は対話エージェントの外見の違いによって印象、特に親しみやすさが変わることが先行研究からわかっている。しかも、その印象によって患者の自己開示を促進させたり抑制させたりする行動が生じる。そこで本研究では、対話エージェントの外見から認識される親しみやすい印象が、患者の自己開示のしやすさという心理的な側面と、実際の自己開示の情報量に与える影響を調べる。
本実験は2ステップで構成される。1ステップ目では、対話エージェントの外見から認識される親しみやすい印象が患者の自己開示の心理的側面に与える影響を調べる。外見の異なる対話エージェントを設計し、対話エージェントの親しみやすさの印象と、対話エージェントに対する話しやすさなどの自己開示時の心理的負担について患者にアンケート調査を行う。2ステップ目では対話エージェントの外見から認識される親しみやすい印象が患者の自己開示の情報量に与える影響を調べる。クラウドソーシングで募った実験協力者を模擬患者として、対話エージェントの親しみやすさの印象を尋ね、その後疾患の状況を開示するシナリオを提示し回答させる。その回答時の応答から対話エージェントの印象に対する自己開示量の影響を調査する。以上の実験を行うことで、患者の自己開示に影響を与える対話エージェントの親しみやすい印象の特性を明らかにする。