Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-03] 医薬品の使用成績調査におけるElectronic Data Capturing システムの利用実態

*Masatoshi Tanigawa1, Yukinori Mashima1, Sachiko Muguruma1, Chie Mizuno1, Hideto Yokoi1 (1. 香川大学医学部附属病院 臨床研究支援センター)

electronic data capturing system, post-marketing surveillance , pharmaceuticals, usage analysis

目的 医薬品の使用成績調査における患者データの収集法としてElectronic Data Capturingシステム(EDC)が導入されて久しいが、その利用実態を分析した事例は見当たらない。そこで、使用成績調査における現状のEDCの利用実態を調査した。

材料および方法 2022年4月1日時点で香川大学医学部附属病院と契約中の使用成績調査119件(49社)の実施要綱を基に、3種類のデータ収集法(EDCのみ、EDC+紙調査票:Hybrid、紙調査票のみ)を使用成績調査の対象者の数と範囲、観察期間および実施方法の点で比較分析した。

結果 全調査に占める一般使用成績調査と特定使用成績調査の件数は、それぞれ53件と66件であった。その内、全例調査方式は、一般使用成績調査が31件、特定使用成績調査が36件であった。 全調査のうちEDCが40件、Hybridが20件、紙調査票が59件であった。その内、全例調査方式は、それぞれ、12件、19件、36件であった。対象者数では、3つのデータ収集法間で大きな差は認められなかったが、1000例<対象者数≦3000例のカテゴリでは、全17件のうち、Hybridを含むEDCが12件、紙調査票が5件であった。なお、5,000例以上の収集調査は無かった。観察期間では、1年間以内の調査では、EDCに比べて紙調査票による収集法を多く採用し、1年間~3年間では、Hybridを含むEDCによる収集法の割合が紙調査票よりも多かった。

考察
当院で実施中の治験がほぼ全てEDCを採用しているのに対し、使用成績調査では、その割合は半数に留まり、使用成績調査におけるEDCの効用は治験とは異なると考えられた。 また、Hybridを含むEDCを採用した調査の特長として、観察期間が長い傾向にあり、患者データの長期的かつ適正な管理が求められる事に対するEDCのメリットが反映された結果であると推察した。