Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-04] NCD症例登録で利用可能な手術症例データベースシステムの構築

*Shunsuke Yuasa1, Naoya Uematsu1, Atsushi Manabe1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1, Kimiko Kawasaki2, Satoshi Kuroyanagi2, Yoshiko Yamamuro3, Takeki Ohashi3 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 医療法人徳洲会岸和田徳洲会病院, 3. 医療法人徳洲会名古屋徳洲会総合病院)

National Clinical Database, Cardiovascular Surgery, Electronic Medical Record, Real World Data, Data Collection

背景・目的: 徳洲会グループ全71病院(以下 グループ)では、年間7,000症例以上の心臓血管外科手術が行われており、各病院はその手術情報を電子カルテ含め複数の手術症例データベース(以下 手術症例DB)に入力している。それらの中には、日本最大規模の手術症例DBであるNational Clinical Database(以下 NCD)や、院内での業務・研究利用を目的としたものが含まれる。これら複数の入力作業は同じ情報であっても手術症例DBごとに行う必要があり、病院担当者への多大な負担となっている。また、各病院のデータ形式が統一されていないため、グループ全体で症例研究等をできないことが課題となっている。それらを解決するため、電子カルテ内の手術情報が自動取得される統一心臓血管外科手術データベースシステム(以下 統一心外DB)を構築した。
方法: NCDへの入力項目を軸として複数病院の手術症例DBの入力項目を整理し、統一心外DBを構築した。また各病院の電子カルテから統一心外DBに、手術情報の大半を自動取得できる機能を開発した。その統一心外DBに入力された情報はNCD登録にも利用可能にし、重複登録を不用にした。
結果・考察: 2021年1~12月にグループでは約7,200症例の心臓血管外科手術が行われ、20病院が統一心外DBを利用した。そのうち2,014症例がNCD登録用データとして用いられ、入力作業負担の軽減がみられた。また、統一心外DBによって病院間での症例比較など、グループ全体でのデータ利活用が可能となった。今後の課題として、電子カルテから自動取得できる項目を増やすことで病院担当者の一層の負担軽減を進める予定である。