Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-08] 臨床データの匿名加工情報作成に向けた検討
新薬創出を加速する人工知能の開発におけるデータ利用促進に向けて

*Masataka Kuroda1,2, Mari Nogami Itoh1, Yayoi Natsume Kitatani1,3, Hideyo Kamada1, Akiko Fukagawa1, Yoshito Takeda4, Toshihiro Takeda5, Yasushi Matsumura6, Hideya Kitamura7, Takashi Niwa7, Tae Iwasawa7, Yoko Takahashi7, Eiji Aramaki8, Sadao Kurohashi9, Kenji Mizuguchi1,10, Takashi Ogura7, Atsushi Kumanogoh4,11 (1. 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 AI 健康・医薬研究センター, 2. 大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学, 3. 田辺三菱製薬 医薬基盤研究所, 4. 徳島大学 先端酵素学研究所, 5. 大阪大学医学部付属病院医療情報部・医療情報学, 6. 独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター, 7. 神奈川県立循環器呼吸器病センター, 8. 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科, 9. 京都大学大学院 情報学研究科, 10. 大阪大学蛋白質研究所 計算生物学研究室, 11. 大阪大学免疫学フロンティア研究センター)

Medical records, Anonymously processed information, Idiopathic Pulmonary Fibrosis, Artificial Intelligence

官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の枠組みに基づいた省庁連携プロジェクト「創薬ターゲット探索プラットフォームの構築」において、予後不良の難病である特発性肺線維症(IPF)を対象疾患として、創薬標的の探索のためのAI、医師が記述した文章や英語論文から特定の語句や関係性を抜き出すための自然言語処理AIなどの開発を行なってきた。
診療情報と生体試料を大阪大学医学部附属病院と神奈川県立循環器呼吸器病センターにて、患者さまから同意を得て提供していただいた。これらの情報を、将来第三者機関で広く利用できるようにするために、匿名加工情報とした。匿名加工情報は特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報で、その加工方法及び安全管理措置などが法律で定められている。しかしながら、具体的にどのように加工するのかについては、各論に委ねられており、たぶんに研究的要素が多い。
今回、匿名加工情報の作成対象としたデータは、AIによる処理を行うために構造化された診療情報データ(定型の診療記録、血液検査データ)、自然言語処理AIへの入力を目的とした診療記録の自由記載事項とCT画像の読影所見、CT画像、医薬基盤・健康・栄養研究所にて実施した生体試料のマルチオミックス解析結果である。これらのデータからどのように匿名加工情報を作成すればよいか、その検討内容についての詳細を報告する。