Japan Association for Medical Informatics

[4-H-2-04] 院内データベースを利用した機械学習による脳卒中後遺症患者リハビリ後の日常生活動作予測

*Taichi Endoh1, Tomoya Tomoya Watanabe2, Masaru Takahashi3, Nobue Kojima4, Kei Mitsuhashi5 (1. 時計台記念病院 臨床工学科・AI Task Force, 2. 時計台記念病院 リハビリテーション部・AI Task Force, 3. 時計台記念病院 システム管理室・AI Task Force, 4. 時計台記念病院 診療技術部・AI Task Force, 5. 時計台記念病院 消化器内科・AI Task Force)

Machine Learning, Clinical Information Database, Functional Independence Measure

[目的]当院では自作のリハビリデータベースを利用した評価を行っており、機能的自立度評価(FIM)に関するデータが集約される仕組みとなっている。効果的な退院計画を立てるためには、退院時FIMを予測することが重要である。しかし、入院時の患者データから、経験に基づき各セラピストが退院時FIMを予測値を入力し治療計画を作成するため、経験年数等で予測値に差が出てしまう可能性がある。機械学習は、データから規則性や判断基準を学習し、それに基づき未知のものを予測、判断する技術である。そこで、機械学習を程度指標として臨床応用することを目的に、データベースから退院時FIMを予想する仕組みを作成した。 [方法]条件によって特徴量を変更する必要がある為、当院回復期病棟を2014年12月8日~2021年12月14日に入院した脳卒中片麻痺者を学習データの対象とした。疾患の病側を左右に分け、学習する機械学習モデルを作成した。年齢・性別・入院時FIM等の各項目を特徴量、退院時FIM各項目値を目的変数とし機械学習(lightGBM)による学習を実施した。各目的変数に対して学習した機械学習モデルを利用し、自動でデータベースよりデータを抽出し予測するシステムを作成した。 [結果、考察]学習データの各点数の平均正解率は、病側セルフケア6項目0.45-0.61、排泄管理2項目0.47-0.65、移乗3項目0.56 -0.72、移動2項目0.46-0.77、コミュニケーション2項目0.40-0.57、社会的認知3項目0.37-0.57であった。この学習済み機械学習モデルを利用し、データベースから出力されたデータを自動的に予測し、予測後結果を同システムで確認できる仕組みを作成することができた。今後は、学習モデルの精度向上や、定期的にデータ数を増やし学習するシステムが必要と考える。