Japan Association for Medical Informatics

[4-I-1-03] 院内チャットツールの導入

*Shozo Konishi1,2, Masashi Yamamoto3, Shoya Wada1,4, Shirou Manabe1, Katsuki Okada1, Toshihiro Takeda1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学, 2. 大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学, 3. 大阪大学医学部附属病院 医療情報部, 4. 大阪大学大学院医学系研究科 変革的医療情報システム開発学(日本財団)寄付講座)

chat tool, smartphone, hospital information system

背景:病院における職員間の連絡手段として、電話(固定電話・PHS)や電子カルテ内のメッセージ機能などがある。電話には即時性があるが、相手の業務を中断させうる。電子カルテ内のメッセージ機能は1対多の連絡が可能であるが、電子カルテ端末にログインしていなければ使用できず、即時性に乏しい。一方で、近年病院へのスマートフォン(スマホ)導入が行われており、新たなツールの導入が可能になってきている。目的:当院におけるスマホ導入に伴い、即時性を保ちながら医療者の業務を妨げることのないコミュニケーションツールを導入すること。結果:システムの必要要件として、患者情報をやり取りできること、未読・既読の把握、グループ間の情報共有、セキュリティの担保を掲げた。これらを満たすため、オンプレミス型のチャットツールを選定した。スマホは病院情報システム配下のWi-Fiに接続した。スマホでは専用アプリを用いて、電子カルテではウェブブラウザを用いて、双方からアクセス可能な環境を構築した。院外からはVPN接続を介してスマホでのチャット利用を可能にした。スマホの新着メッセージ通知機能によって即時性を担保し、既読・未読表示によって受信者の覚知有無を把握できるようにした。ユーザーは任意のメンバーでグループを設定でき、テキストメッセージ、スタンプ、添付ファイル、撮像写真を送受信できるようにした。ユーザー管理は、電子カルテのユーザー管理を活用した。セキュリティ面では、チャット内容はスマホ端末には保存されないことに加え、スマホ端末のログイン認証及びチャットアプリのログイン認証をそれぞれ必須とし、スマホ紛失時には管理者権限がチャットアカウントを末梢でき、またモバイルデバイス管理により端末そのものの利用を停止させられる体制とした。結語:当院におけるスマホ導入に伴い、新たなコミュニケーション手段として院内チャットツールを実装した。