Japan Association for Medical Informatics

[4-I-1-04] チャットエンジンを用いた臨床工学技士向けQ&Aシステム

*Seiichi Kuki1, Eisuke Hanada1 (1. 佐賀大学)

Q&A system, AI, chatbot, clinical engineer, dialysis

本研究は、医師以外の職種に適用可能な人工知能の例示を目的として、臨床工学技士向けのQ&Aシステムを構築し、評価してきた。このシステムは、インターフェース部とチャットエンジン部から構成され、インターフェース部にはAI-Q(木村情報技術株式会社)を、チャットエンジン部にはAICE(株式会社ASKプロジェクト)を使用している。AI-Qのユーザインターフェース(質問入力と回答表示)には、Webブラウザを用いる。管理者は、想定される質問と回答を、AI-Qを通してAICEに予め学習させる。その際、各回答にIDを付与する。IDは想定質問と対応する回答を結びつけ、1つの回答に対し複数の言い回しによる質問が入力された場合も、同じ回答を返すことを可能とする。AI-QはIDと想定質問、回答を保持し、AICEは入力された想定質問の解析結果とIDを保持する。AI-Qが持つ回答タイプには、テキスト、選択肢、画像、ダウンロード可能なファイルの4つがある。選択肢形式の回答は、利用者に対する質問を可能とし、利用者質問を深掘り可能にしている。利用者がAI-Qに対して質問を入力すると、AICEは質問を解析して学習済データと比較し、IDと確信度をAI-Qへ返す。確信度とは、質問者の質問と学習済質問との類似度である。確信度はすべての登録済質問との間で計算され、通常は最も高いID1つを回答とする。AI-QはAICEから得たIDに対応する回答と確信度を表示する。本研究では、透析器1機種のアラームに関する想定問答数を前年度の11から175に増やし、実環境で評価した。前年度と比べ確信度を向上させることができ、直感的にわからない警報内容にも対応できるとの評価を得た。しかし、問題解決までの時間短縮については評価が低かった。時間が延びる要因には選択肢に対するユーザの対応に問題があると考えられるため、改善を試みる予定である。