Japan Association for Medical Informatics

[4-I-1-07] タスク管理に特化したアプリケーションにより、脳卒中センターでのチーム医療を効率化し、より迅速な脳卒中治療を実現する

*Shoji Matsumoto1, Ichiro Nakahara1, Ayuko Yasuda2, Shinpei Okita1, Takuma Ishihara3, Hiroshi Koyama4, Jun-ich KIra5,6 (1. 藤田医科大学 脳卒中科, 2. 藤田医科大学 医療の質管理室, 3. 岐阜大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究推進センター, 4. 産業技術大学院大学 産業技術研究科, 5. 国際医療福祉大学トランスレーショナルニューロサイエンスセンター, 6. 福岡中央病院 脳神経センター 脳神経内科)

Acute ischemic stroke, Visual task management application, Reperfusion therapy

【背景】脳梗塞急性期診療では早期治療が重要で、治療の遅れは、介護が必要な状態となる可能性を高める。治療開始までに院内の多部署に跨る多くの診療タスクが存在しその効率的に処理することが求められている。我々は、脳卒中急性期のチーム医療をICTで支援する目的でTask Calc. Stroke (タスカル) というシステムを開発してきた。【目的】タスカルの機能・特徴及び現在施行中のタスカル用いた多機関共同観察研究について紹介する。【方法】タスカルは関連する部門の医療スタッフが手軽に使用できるために、スマートフォンもしくはタブレットでの運用を想定している。ダッシュボードには、患者到着予想時間や、脳卒中診療の主要タスクを表示し、患者到着までの残り時間やタスクの進捗状況が一眼で院内どこからでも確認できる。さらに、特に重要なタイミング、すなわち、患者の搬送が決定した時、患者が病院に到着した時、患者の急性期診療タスクが終了した時には、人工音声で医療者チームに通知される。さらに、脳卒中診療タスクに関わる時間データを自動的に記録し、医療チーム内での迅速なフィードバックを可能としている。これらの機能により、脳卒中のチーム医療を支線し、診療の効率化、治療までの時短を図る狙いがある。【結果】2022年2月より、多機関共同観察研究において国内25施設において順次タスカルを導入を進めている。導入に先立ち、各施設とWebミーティングを行い、診療体制や診療ワークフローを確認し診療フローチャートを作成し、それに合わせタスカルを施設ごとにカスタマイズしている。研究の主要評価項目は、急性期脳梗塞の再灌流療法の時間の変化とし、それに関連する因子の解析も予定している。【結語】急性期脳卒中診療をタスカルで支援することで、医療者のチーム医療の効率化を図ることでより迅速な脳卒中治療の実現に貢献していきたい。