Japan Association for Medical Informatics

[4-P-2-02] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の入院時プロファイルからの予後予測

*Kikue Sato1, Taiki Furukawa1, Daisuke Kobayashi2, Satoshi Yamashita1 (1.名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター, 2.神戸大学大学院医学研究科医療システム学分野)

Covid-19, prognostic factors, machine learning, DPC

【背景】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症から2年が経過し、2022年6月までに第1波~第6波の感染拡大期を経て、感染陽性者数は増大して、致命率は減少傾向になっているように見受けられるが、入院患者における死亡退院率は減少していない。当初のデルタ株からオミクロン株への変異もみられて、ウイルス伝播の特徴が明らかとなり、エアロゾルを含めた感染対策も重視されるようになってきた。今後,ポストコロナに向けた地域医療の最適化と機能分化に向けて、新型コロナウイルス感染症による致命率の向上を目的に入院患者の予後に影響を与えると思われる因子について検討した。 【方法】本研究は、愛知県「高齢者疾患医療連携推進事業」のもと、データ提供の承諾を得られた愛知県内の医療機関を受療し2022年3月までに退院した、DPCデータ(様式1ファイル)から入院契機病名または最資源病名に新型コロナウイルス感染症(ICD-10 : U07.1orU07.2)の確定診断がある症例を対象とした。入院時における患者プロファイル項目を特徴量にして、退院時転帰「死亡」と入院30日超え「長期入院」の有無による2値アウトカムとした。また、治療行為からECMOを含む人工呼吸器による治療患者は重症、ネーザルハイフロー使用は中等症Ⅱ、酸素吸入等処置ありは中等症Ⅰ、それ以外は軽症とする症状区分別にも比較した。これら予測モデルには、機械学習のランダムフォレストを用いた。 【結果】対象となった新型コロナウイルス感染症患者は、23352症例であった。感染拡大期別入院患者推移から、死亡退院率は減少しておらず、年代別で見ると特に80歳以上は増加していた。全体では、「死亡」「長期入院」ともに、入院時ADLが特徴量の最上位となり、BMIも影響する因子として示された。