Japan Association for Medical Informatics

[4-P-2-03] COVID-19ワクチン接種に伴う副反応疑い症状の併発状況

*Aizawa Haruka1, Akira Yoshida1, Shinji Oshima1, Akiyoshi Shiroto2, Kenta Suzuki2 (1.城西大学, 2.日本医療科学大学)

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【目的】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に際し、2021年から日本各地で、企業や大学等によるワクチンの職域接種が開始された。既報では、ワクチン接種後の副反応疑い症状の発症率が示された。ただし、1つの症状が他の症状と併発する例が多く見られたが、各症状間の関連性については不明であった。そこで、本研究では併発しやすい症状の組み合わせを明らかにする。
【方法】本研究では、城西大学および日本医療科学大学の第1回・第2回職域接種において、アンケート調査を実施した。調査は、各大学に所属する大学生・教職員を対象に行われ、研究への同意取得後、ウェブフォームから匿名で回答を収集した。計2回の調査で、人口統計学的データ、既往歴の有無、接種日から8日目までに生じた副反応疑い症状の有無を回答させた。副反応疑い症状は、局所症状(痛み・赤み・腫れ・かゆみ)と、全身症状(倦怠感・頭痛・筋肉痛・寒気・発熱・関節痛・吐き気・下痢・腹痛)の2つのクラスターに分類した。さらに、症状の関連を示す共起ネットワークを作成した。
【結果と考察】計2885件の回答を得た。1日でも欠損値が存在した場合を除外し、計2481件を分析の対象とした。分析の結果、同じクラスターに属する症状が、共起ネットワーク上で結ばれ、併発しやすい組み合わせであることが示された。さらに、消化器症状(下痢、吐き気、腹痛)は、共起ネットワーク上で他の症状から離れた場所に位置しており、併発しにくい症状であることが示唆された。また、接種回数ごとの比較では、1回目より2回目に症状間の関連性が強まり、併発しやすくなることがわかった。このように、共起ネットワークを用いた解析により、接種回数ごとの併発しやすい症状の組み合わせや、併発のしやすさの違いを明らかにすることができた。