Japan Association for Medical Informatics

[4-P-2-04] COVID-19ワクチン接種後の副反応疑い症状発生率の影響要因
-年代・性別・接種回数を用いたロジスティック回帰分析-

*Akira Yoshida1, Haruka Aizawa1, Shinji Oshima1, Akiyoshi Shiroto2, Kenta Suzuki2 (1.城西大学, 2.日本医療科学大学)

COVID-19, COVID-19 vaccine, Adverse drug reactions, Generalized linear model

【目的】2021年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に際し、ワクチン接種が進められた。しかし、国内における副反応疑い症状の報告数は限られている。さらに、年代、性別、接種回数といった基礎的要因が、接種後の症状の発現にどの程度影響するかは明確に示されていない。そこで、本研究では、大学職域接種におけるワクチン接種後の副反応疑いに関する調査を行い、症状発生率の影響要因について調べることを目的とした。
【方法】本研究では、城西大学および日本医療科学大学の第1回・第2回職域接種において、アンケート調査を実施した。調査は、各大学に所属する大学生・教職員を対象に行われ、研究への同意取得後、ウェブフォームから匿名で回答を収集した。計2回の調査で、人口統計学的データ 、既往歴の有無、接種日から8日目までに生じた副反応疑い症状の有無を回答させた。副反応疑い症状は、先行研究に基づいて局所症状(痛み・赤み・腫れ・かゆみ)と、全身症状(倦怠感・頭痛・筋肉痛・寒気・発熱・関節痛・吐き気・下痢・腹痛)の2つに分類した。データ収集後、局所症状・全身症状の発症有無を目的変数、年代・性別・接種回数を説明変数とするロジスティック回帰分析を行った。回帰係数の推定には、20-29歳の男性の接種1回目を基準として用いた。
【結果と考察】2885件の回答を分析した結果、まず、局所症状の発症率は、性別と接種回数から影響を受けており、女性は男性に較べて、2回目接種は1回目に較べて、それぞれ高くなることが示された。これに対して、全身症状の発症率は、性別と接種回数に加えて、年代からも影響を受けており、18-19歳は20-29歳と較べて高く、50-59・60-69歳は20-29歳と較べて低くなることが示された。これらの知見は、正確な医療情報提供のために有用である。