一般社団法人 日本医療情報学会

[4-P-2-05] 宮城県COVID-19関連情報のオープンデータ化と情報公開サイト構築

*佐藤 大1、小泉 勝志郎2 (1.東北医科薬科大学 医学部、2.宮城大学大学院 事業構想学研究科)

COVID-19, Open Data, Civic Tech

【背景】宮城県庁のCOVID-19情報サイトのグラフは職員がExcel上で作成しており、作業ミスや更新漏れも発生していた。またオープンデータとして公開されるのはExcelファイルで、機械判読が困難な形式であった。筆者らは、このデータを手作業で変換したJSON形式データからグラフ等を自動生成する非公式サイトを開設し、自主的に運営していた。
【目的】宮城県が発表するCOVID-19関連情報を、オープンデータ化して第三者による二次利用が容易な環境を整備しつつ、県庁職員の情報公開業務の負荷を軽減する。
【方法】宮城県からの要望で、サイトを公式化し更新業務フローに組み込んだ。まず当時の業務フローを元に、混乱なく業務を効率化する業務フローを検討した。その結果、データ更新は引き続きExcel上で行い、機械可読なCSVファイルとして保存する、これを県庁職員がアップロードし、サーバ側でグラフや一覧表のパネル群と機械可読データへのリンクを自動生成することとした。また県庁サイトの各ページにグラフ等のパネルを埋め込み表示することとした。
【結果】県庁職員の作業は、Excel上でのグラフ作成や各ページへの反映が不要となり、CSV形式での保存とアップロードのみへと大幅に削減された。また機械可読なデータとして、UTF-8およびShift-JISのCSVファイルが同時に公開されるようになった。
【考察】宮城県庁の業務の効率化にシビックテックが直接活用された事例であり、目標とした関連情報のオープンデータ化と県庁職員の負荷軽減を実現した。これはシビックテックが提供する利便性をデータ公開者にフィードバックする枠組みである。また機械処理が容易になるようデータ項目を見直すことで開発稼働を圧縮できた。これはオープンデータ化の計画段階から、データの活用性を左右する項目設計に技術者が携わることの重要性を示唆している。