Japan Association for Medical Informatics

[4-P-2-06] Python Webアプリケーションフレームワークを用いたCOVID-19健康観察管理システムの構築

*Takumi Tanikawa1, Ryuichi Nakayama2, Masayuki Koyama3, Shintaro Takatsuka3, Tsuyoshi Mukouhara4, Naoki Fujimoto4, Jun Fukuda5, Hidehiro Ozawa6 (1.北海道科学大学, 2.北海道立羽幌病院, 3.札幌医科大学, 4.北海道情報大学, 5.ESRIジャパン(株), 6.札幌市保健所)

Public Health Informatics, Coronavirus Infections, Geographic Information Systems

【はじめに】新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の宿泊療養者および自宅療養者への健康観察について、札幌市保健所では「こびまる」という官学連携の取り組みにより独自開発した健康観察アプリケーションを使用しており、登録された情報から重症化リスクを自動的に判定する仕組みを実装している。今回、保健所の職員が健康観察の結果をウェブブラウザ上で一覧表示し確認できる仕組みとして、COVID-19健康観察管理システム「こびまる Easy View」を開発したので報告する。【方法】「こびまる」はArcGIS(ESRI社)のWeb調査フォームを用いて健康観察フォームを作成しており、登録されたデータはArcGIS Onlineのデータベースに記録される。健康観察管理システムは、Anaconda3のPythonの開発環境のなかで、Python WebアプリケーションフレームワークFlaskとESRI社から提供されているArcGIS API for Pythonライブラリなどを用いて開発を行い、ノートPC上などのスタンドアロン環境で動作するシステムとして構築した。【結果・考察】健康観察管理システムはユーザ認証を行った後、データベースからデータを取得して一覧画面を表示する仕組みとした。一覧画面は、重症化リスクの判定結果ごとに療養者の識別子と健康観察データを簡易的に表示する画面とし、療養者ごとの日付ごとの一覧、エクセル出力機能なども作成した。札幌市保健所では第6波までに1日あたり最大5千件以上の健康観察を行ってきており、そのなかで医療へのアクセスが必要な療養者をリスク判定に基づいて効率的に把握する仕組みの一部として機能してきた。本システムはアジャイル型開発により、健康観察の対象となる療養者数の増加や機能追加などの保健所のニーズにも柔軟に対応できていると考えられる。