Japan Association for Medical Informatics

[4-P-3-01] オンライン服薬指導における地域インフラ活用の可能性

*Seiichi Furuta1, Yurika Nakano1, Aoi Ishizaka2, Hidehiko Sakurai1, Keiko Kishimoto3, Takumi Tanikawa1 (1.北海道科学大学, 2.岩見沢市立病院, 3.昭和大学)

online medical care and medication guidance, Localization, Post Office, Geographic Information System

【目的】オンライン診療・服薬指導は医療機関へのアクセスが困難な地域での受診機会の確保やコロナ禍等における感染防止を考慮した受診方法として有用である。しかし、運用には円滑に利用できるよう支援を行うシステムが必要である。オンライン服薬指導への既存の地域インフラ活用の有用性を検討することを目的とし今回研究を行った。
【方法】地理情報解析ソフトであるArc GIS Proを用い、北海道厚生局に掲載されている2022年3月時点での病院、保険薬局の住所を座標化した。また、同様の方法で北海道内に店舗を有するドラッグストア4社と郵便局について所在地を座標化し、医療機関やドラッグストアの分布と郵便局の分布・人口カバー率を比較した。
【結果】医療機関や薬局は、札幌近郊や旭川などの人口の多い地域に分布していることが示され、分布に偏在が生じていることから医療アクセスが困難な地域の存在が明らかとなった。一方、郵便局は北海道内をほぼ網羅しており、分布の差が明らかで特に、道南や道東では顕著であった。さらに薬局、ドラッグストア、郵便局の1.6㎞範囲内にある人口の割合である人口カバー率を算出したところ、薬局の人口カバー率は83.4%、ドラッグストアでは79.1%、郵便局では89.2%と郵便局とその他の施設では5%以上の差が認められた。郵便局は人口の少ない地域にもバランスよく配置されているということが明らかとなった。
【考察】以上から郵便局は他の施設に比べ幅広く分布し、高い人口カバー率を示し患者がアクセスしやすい場所に配置されており、オンライン服薬指導の支援拠点として活用できる可能性が示された。患者がオンライン診療を受けた後に処方薬の受け取りを郵便局で行うと同時にその場で服薬指導を受けるというシステムを構築することで、地域の高齢者等にもオンライン服薬指導を活用した医療サービス提供の可能性が示唆された。