Japan Association for Medical Informatics

[4-P-3-04] HISアレルギーチェックに利用出来る汎用薬剤成分コードの整備とその評価

*Ritsu Honda1,2, Eri Mizutani1, Takehiro Fujii2, Toshihiro Kaneko3, Yoshinori Azumi4, Hajime Sakuma2 (1.三重大学医学部附属病院 薬剤部, 2.同 医療情報管理部, 3.同 医療安全管理部, 4.同 医療情報管理部 運用アドバイザー)

allergy check, Safety management, drug information

【背景】薬剤アレルギーの網羅的確認は病院情報システム(HIS)に強く望まれる機能の一つである。しかし、近年の調査報告に於いて、同一剤形でなければチェックが機能せず、アラートの範囲が不足していることに懸念が示され、HIS側での適切な医療事故の予防体制の整備が求められている。一方で、現在のHISベンダー各社においてのアレルギーチェック機能は、多くは薬効分類(YJ等)に依存しており、コードの異なる剤型違いの薬剤などの対応は十分に為されていないのが現状である。当院では既存HIS機能を利用することで薬剤成分をグループ化し、剤型違いの薬剤への対応したことを以前報告した。しかし、異なる薬剤をアレルギーチェックに利用する際に、成分情報の管理に難があり、これらを適切に扱うための工夫が必要となった。
【目的】薬剤を成分ごとに分類・付番を行い、アレルギーチェックに供することの妥当性を評価した。
【方法】厚生労働省・薬価基準収載品目リストより、薬剤成分候補リストを作成し、薬剤個別の代謝も考慮して同一化合物又は代謝物などを含む成分グループに対し大分類グループコード(5桁)を付番した、また個々の薬剤成分に対しては枝番を宛てて整理した。個別の製剤に対してYJコード7桁と大分類コードのペアを作成した。これらを用いてHIS上のアレルギーチェック機能についてシミュレーションを行った。
【結果】代謝物も考慮してコード化した結果、カロナール錠とアセリオ注のような剤型違いの薬剤のほか、オフロキサシンとレボフロキサシン、フェノバルビタールとプリミドンなどの関連薬に関しても網羅的に検出することができた。
【結語】薬剤アレルギーのチェックにおいて、患者のアレルギーを正しく入力する必要があるという根源的問題は残るが、本手法を用いることで、ある程度緩い指定でも網羅的なアレルギーチェックが可能になると考える。