一般社団法人 日本医療情報学会

[4-P-3-05] 持参薬報告と連動した医薬品相互作用チェックツールの開発

*井上 達也1、高橋 功一1、越野 優希2、鈴木 聖1、篠原 尚樹1、元木 貴大3、田中 裕章1、三上 史哲4、横井 英人4、小坂 信二1 (1.香川大学医学部附属病院薬剤部、2.香川大学大学院医学系研究科、3.香川大学医学部附属病院医療安全管理部、4.香川大学医学部附属病院医療情報部)

pharmacists, drugs brought by inpatients, drug identification report, drug interaction, VBA

背景
1.病棟薬剤業務
病棟薬剤師の業務は多岐にわたり、香川大学医学部附属病院(以下、当院)でも忙しいという声が多く上がっている。医療安全の観点からも好ましい状態ではなく、改善が望まれる。
2.相互作用チェックシステム
当院では医薬品の相互作用チェックシステムを2種類導入しており、患者へのオーダ時に動作する「オーダ連携型」と、薬品のみを指定して検索する「薬品名手入力型」がある。
3.持参薬確認業務における二重入力
当院の持参薬確認業務では薬品名や数量を「持参薬報告」オーダとして電子カルテに記録する。その相互作用の確認には薬品名手入力型のシステムを用いており、持参薬報告で入力した薬品名を再び手入力する手間が生じている。

目的
持参薬報告オーダのデータを用いて動作する医薬品相互作用チェックツール(以下、本ツール)を開発し、業務量削減の観点から持参薬確認業務の改善を図る。

開発環境
電子カルテは富士通EGMAIN-GX、相互作用データベースはインフォコムDICS-MASTER、本ツール開発言語はExcel2016付属のVBAを用いた。

ツールの動作
本ツールはExcelマクロ有効ブック形式のファイルである。
1.ファイルを開くと患者IDと検索日付範囲の入力が要求される。
2.入力後にボタンをクリックすると検索が始まる。
3.指定された患者IDと検索期間のオーダを自動で電子カルテから取得し、その薬品について相互作用データベースに問い合わせて結果を取得する。
4.薬品の組み合わせ、併用レベル(注意または禁忌)、添付文書情報が表示される。

ツール導入前後の比較
導入前の作業時間は1薬品につき10~20秒であった。
対して導入後の作業時間は薬品数を問わず合計10秒程度であった。
また、導入前後で表示される相互作用の内容に差異は無かった。

結論
持参薬確認業務の相互作用チェックにおいて、業務量を削減するツールを開発することができた。