Japan Association for Medical Informatics

[4-P-3-06] Population pharmacokinetic-pharmacodynamic (PopPK/PD)解析臨床応用に向けての薬剤部門支援システム薬物動態領域試作構築

*Kenji Ikeda1 (1.大阪大学大学院薬学研究科)

pharmacokinetics, population, NLME, pharmacometrics, optimization

【背景・目的】  近年、Population pharmacokinetic-pharmacodynamic (popPK/PD)解析を中心とした、体内薬物動態推定手法は、創薬段階のみならず実地医療においても、主に薬剤師によって広く浸透しつつある。しかしながら、popPK/PD解析を臨床応用するためには、まず電子カルテ、薬剤部門システムなどの情報システムと切り離された外部解析環境にて操作を行う必要が有り、人的入力ミスや医療スタッフ間での推定根拠を伴わない情報共有、および連絡や解析のタイムラグなど、いくつかの問題点がある。今回、個別薬物動態解析によって根拠を伴ったアウトプットまでを管理する、薬剤部門支援システム薬物動態推定領域を試作したので報告する。 【方法】個別動態解析、および結果のアウトプット(参照シート出力)までの流れは、csvおよびR Speaks NLME (RsNLME)、Pirana (サターラ合同会社)によって稼働した。また、薬物動態解析と処方設計のために、既報のPopPK/PDモデルを元に構築したRsNLMEモデルシートとガイドラインなどによる臨床的エビデンスに基づいたカットオフシートをセットで作成した。 【結果】患者情報テンプレートの策定は、疾患領域横断的に利用するために単ファイルとした。RsNLMEモデルシートの選択は、可能な限り意図する特定母集団を判別できる情報を付与することで適正化を図った。まずは特定薬剤治療管理料に該当する医薬品の中からRsNLMEモデルシート、カットオフシートを構築した。 【考察】体内薬物動態推定から臨床応用する際、現段階では情報共有および伝達時に推定根拠が伴っていないことも多い。本システムでは初回投与設計などの参照シートに、判定理由を明記することで推定根拠が確認できるものとし、薬物療法の適性化に貢献できるものと考える。