Japan Association for Medical Informatics

[LS13] データ基盤とシステム連携基盤 -自施設にfitするアーキテクチャを考える-

*鈴木 一洋1 (1. がん研有明病院)

 がん研有明病院では、がん臨床統合DB(以降「統合DB」)の開発を2017年からスタートした。電子カルテ・DWHや部門システムからのデータ収集部分は院内で独自開発し、構造化したRDBに格納している。当該データを利用して各診療科の症例DBを構築しており、6年目に入った現在では多くの外科系診療科をカバーし、内科系診療科のDB構築も進めている。さらに、医療安全管理部や薬剤部向けにも業務支援アプリケーションを開発しており、薬物療法実施時の血液・生化学検査の事後フォローアップや、B型肝炎キャリアのモニタリングを支援している。一方、2021年度の終盤にはIntersystems IRIS for Healthを導入し、電子カルテから部門システムへ送信されるオーダ情報をキャプチャできる環境を構築した。今後は、統合DBを「データ基盤」として、IRISを「システム連携基盤」として、当院の特性にfitするシステム構成の実現を計画している。
 本セッションでは、当院の事例を紹介しながら「データ基盤」「システム連携基盤」をキーワードに、自施設にfitするアーキテクチャをどのように構築していくかを考える。