一般社団法人 日本医療情報学会

[LS17-01] パレート効率的なランサム対応とは 洛和会グループでの模索

*松村 健1 (1. 洛和会ヘルスケアシステム本部医療情報部)

 前回の岡山での春の学会(Part 1)では、病院情報部門のランサム対応の例として、緊急性・フィジビリティを勘案し「何を優先的に守るのか」を、現実的な視点での取り組み状況をお伝えした。
 今回は、民間病院グループとして「人・物(機器・APL)・金」の資源を経営の視点からどのように効率的資源配分を行うべきであるか、という思考をベースに「ランサム被害を最小限に留め、2重3重の対策を構築し、最低限の外来診療を継続させる」ことを目標に、その取り組みの具体的な状況報告と、中間評価を中心とした発表である。(特に、SS-MIX2データを利用した具体的な対応策と富士通電子カルテ環境での評価)
 それに同時並行して、「病院DXやクラウド化も推進せねばならない」という情報部門のミッションを単純な全体最適化から、セキュリティ・利便性・コスト等複数のトレードオフなファクターを勘案調整し、多目的最適化へステージを上げていく。
 あくまで一医療機関の取り組みではあるが、特殊ではない引用可能な事例と考える。