一般社団法人 日本医療情報学会

[LS23] 電子カルテ情報を臨床研究に活用するための医療情報基盤

*溝上 敏文1、*加藤 和雄1 (1. Norstella(旧インフォーマインテリジェンス合同会社))

 医療情報の有効活用の必要性が叫ばれる中、個人情報としての電子カルテデータを情報セキュリティの観点で保護しつつも、活用していくための法制度が整備され、技術面においても自然言語処理や機械学習による疾患予測モデルの構築等、様々な進展が見られます。本セミナーではCITELINEが長年にわたって手掛けてきた創薬研究開発に有効な各種データベース(臨床試験、開発医薬品についての情報)に加えて、新たに今年から日本での展開を開始した「電子カルテ情報を活用した治験患者のリクルーティング効率化」の仕組みとしての医療情報基盤Patient Network Explorer(PNEx)についてご紹介します。
 背景的なこととして2011年~2014年で実施されたEHR4CR(Electronic Health Record for Clinical Trials)の実証実験を起点とした強力なPrivate Public Partnershipのもと、OHDSI1)による共通データモデルの策定や、IT企業にOMOP2)についての教育を施し認定していく動きなど、様々な施策が実施されてきた欧州のヘルスデータ政策について考察し、今後日本で皆様との議論につなげていければと考えています。
1)OHDSI : Observational Health Data Sciences and Informatics
2)OMOP : Observational Medical Outcomes Partnership