Japan Association for Medical Informatics

[LS9-02] セキュリティガバナンスを高める意思決定、CDM と「病院IT デザイン」戦略を手に入れるために

*鳥飼 幸太1 (1. 国立大学法人 群馬大学医学部附属病院 システム統合センタ― 准教授)

 サイバーセキュリティ向上の必要性がこれまでになく高まっている。今年度の情報セキュリティガイドライン5.2版では医療CISO補佐相当の設置等が明記された。一方、今後国が取り組む「医療DX推進」においては、クラウド利用や共通化の推進と、それに伴う法令・ガイドライン等の変更が見込まれている。病院情報システムの発展に伴う、高度化・広範囲化・複雑化は、情報部門である私達に多くの負担が課せられ、運用維持の危機に立たされている。
 私達に必要なことは、①人員増加を含む医療IT組織の強化の経営者意思決定の獲得、② Continuous Diagnostics and Mitigation(CDM)の導入、③医療システム・運用のガバナンス確保・整備を省力化できる優れた「病院IT デザイン」戦略の策定と推進であると考える。恒常的な医療IT組織の必要性を可視化し、経理層の意思決定を得るためには、これらを実行可能な方法として提案する必要がある。
 本セミナーでは2011年から5年間病院長補佐を務めた経験から、上記3点を中心として群大病院で取り組んできた内容について紹介する。また組織改変の必要性が切迫した今日現在では、IT・セキュリティ知見と併せて、監査法人としての経営改善提案能力を有するコンサルタントの活用も有効であると考え、併せて紹介する。