一般社団法人 日本医療情報学会

[1-C-1-01] IHEチュートリアル 「ここまで進んだIHE - IHE UPDATE 2023 -」

*安藤 裕1,2 (1. 日本IHE協会、2. 埼玉メディカルセンター)

医療情報システムの守備範囲は拡大し、医療情報システムは複数のベンダが提供し、複数のシステムが稼動するマルチベンダ化が進んでいる。Integrating the Healthcare Enterprise(IHE)は、このような環境で発生する諸問題を解決するために1999年に北米で誕生し、日本では2001年にIHE-Japanが設立され活動している。
 IHEは、病院情報システム(HIS)、放射線部門システム(RIS)、医用画像管理システム(PACS)、検査部門システム(LIS)などの医療情報システムの相互運用性(情報の連携・活用)を推進する統合化プロジェクトである。近年では、地域連携システムの実現に役立つ仕組みや、ベッドサイドや手術室などに導入する情報システム、モーバイル端末での医療情報の取扱い、など対象範囲が広がっている。日本では、医用画像の媒体経由の交換方法、地域医療連携における情報連携基盤技術仕様など4統合プロファイルが、医療情報標準化推進協議会(HELICS協議会)の指針となり、さらに厚労省標準規格として採択されている。
 本チュートリアルでは、IHEの概要をやさしく解説した後、最近改訂された、あるいは注目されているIHE統合プロファイル(業務シナリオ)について解説する。 1.IHE活動のVision、2.放射線分野(RAD):概要と造影剤の管理(CAM)の進捗、3.病理・臨床検査分野(PaLM):概要とDigital pathology、4.IHE認定技術者の役割とその試験、5.「コネクタソンとコネクタソンシール」の魅力、6.クラウド型交換仕様、7.ベンダーロックインについて解説します。
 医療情報システムの利用者だけでなく、システムを販売するメーカーの営業や業務担当の方を対象として、講演を行います。