Japan Association for Medical Informatics

[2-A-2] 生成AIの医療情報への応用

*Shunsuke Doi1 (1. Chiba University Hospital)

第3次AIブームを起こした深層学習の開発からしばらくの間、識別系AIがAI分野の中心として普及していたが、近年生成AI(Generative Artificial Intelligence)を主役とする第4次AIブームが到来したと取り沙汰されている。生成AIとは、大量のデータから学習し、その結果をもとに新しいコンテンツを生成する技術であり、あたかも人間が作成したかのような文章や、実物のような画像や音声、動画などを生成することができる。医療に限らず様々な分野で画期的な応用が期待されている一方で、生成されたコンテンツに対する信頼性や偏り、倫理面への配慮や悪用への懸念など、注意すべき点についても議論されている。
本セッションでは、生成AIや大規模言語モデルの開発や利活用に関して、4名の先生方よりそれぞれ別々の観点からご講演をいただいた後、医療情報学分野への応用の可能性に関するディスカッションを行う。各講演では、1)生成AI及び大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)に関する研究動向について、2)生成AIの教育/人材育成への活用、3)電子カルテベンダから見る生成AIの活用の可能性、4)生成AIに関するセキュリティ面からの考察、をテーマに取り扱う。ディスカッションでは、1)医療情報学分野において研究・開発・人材育成における活用への期待、2)生成AIを活用するにあたり、医療情報学で特に留意すべきこと、をテーマに取り扱う。
生成AIの活用に大きな期待が集まっているが、医療情報学をさらに発展させる道具になり得るのか、それとも大きなリスクとなるのか。本セッションが聴衆にとって活用のヒントを与えうるものとなるよう、有意義な議論を展開したい。