一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-3] 医療・健康情報の安全・安心な利活用とセキュリティ基盤技術

*田中 勝弥1、宮地 充子2 (1. 国立がん研究センター、2. 大阪大学大学院工学研究科)

改正個人情報保護法の施行、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(次世代医療基盤法)の改正、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの改定、などにより、医療現場および臨床研究を取り巻く環境は大きく変化してきています。医療・介護、臨床研究の現場において、法制度への準拠は当然守られるべきですが、一方で、情報の利活用が阻害されては、医療・医学の発展が望めません。リアルワールドデータの利活用への取り組みが盛んに行われるなか、医療情報を利活用する過程において、情報漏洩をはじめとするセキュリティ事故やプライバシ侵害が起こってはならず、医療情報の収集、インフォームドコンセント、流通するデータのトレーサビリティ、データ加工処理、第三者への提供、などデータのライフサイクルにかかる広範囲にわたって高度なセキュリティ技術の導入と確実な運用が求められます。

本企画では、個人情報保護制度、次世代医療基盤法、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの改正に伴う留意事項に関する最新の情報共有をはじめ、分散管理されたデータを中央に集中させることなく,プライバシを保護しながら突合する技術のデータへの応用事例・結果をはじめとした、情報保護を担保しながら利活用を可能にする基盤要素技術の開発・応用、について、各研究グループ(大阪大学、産業技術総合研究所、国立がん研究センター、医療情報システム開発センター、匿名加工医療情報公正利用促進機構)から医療・臨床研究、予防安全などの各分野での最近の取り組みを情報共有し、議論の場としたいと思います。