Japan Association for Medical Informatics

[2-C-3-01] Introduction of knowledge discovery by visualizing clinical data.

*Hideo Suzuki1 (1. SDM Consortium)

医療情報の二次利用に関して、例えばQI (Quality Indicator)を出力し、報告することを目的とした計算、疫学的研究を目的としたコホート分析、患者サービスの向上を意図した可視化などは、出力結果を得る方法が定義されているので、定型的な分析に位置づけられる。一方、データに含まれる様々な項目を軸としてグラフ表示したり、表におけるレベルの上げ下げ、軸の入れ替えなどの可視化操作を行い、他とは異なる特徴を見つけ、その理由を見つけ出す知識探索型の手法は、データマイニングとも言われる。
 いずれの場合も、分析の前処理として、必要なデータの探索や抽出を行わなければならず、前処理だけでも、多くの労力とコストをかけなければならない。従ってその前処理の負荷を軽減するためにも、共通モデルを持つDWHを利用することが望ましい。
 本題においては、共通モデルを持つSDM(一般社団法人SDMコンソーシアム)を用い、必要なデータがすべて取得できる状態で、二次利用における診療情報の可視化に関して紹介する。まず、知識探索のための可視化を行うには、データの中から最も重要な軸となる日時の項目を選択する。例えば検体検査における検体採取日、投薬における投薬開始日時などは、集計や分析の期間を絞り込むための必須項目となる。次にメジャー(度数)の選択であるが、最も基本的なものは、件数となる。これだけで、年別、月別、日別の件数を求めることができ、経時的にグラフ化すると、増減の傾向が一目で把握できる。さらに軸として、診療科、病棟、職種、役割などを加えることにより、グラフにバリエーションを与えることができ、様々な異なる視点で結果を解釈することができる。
 本題では、これらの方法を具体例をもとに紹介する。さらに、複数の行為を多次元的に時系列表示を行う方法についても紹介する。