一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-3] 医療の質向上を目的とした医療情報の利活用

*本多 正幸1、近藤 博史2、鈴木 英夫3、菅野 裕貴4、小林 楓5、飯田 征昌6、紀ノ定 保臣3 (1. 千葉大学医学部附属病院、2. 医療法人協和会協立記念病院、3. 一般社団法人SDMコンソーシアム、4. メディカル・データ・ビジョン株式会社、5. IQVIAソリューションズジャパン株式会社、6. 蒲郡市民病院)

Quality of Medical Care, Data Scientist, DWH, SDM, Visualization

急性期病院において発生したデータは、患者ごとに設定した目標を達成するために、限られた期間内に凝縮した診療計画のもとで実施された診療行為の記録であり、粒度、頻度、精度ともに高度に管理されたデータである。このデータは、記録としての価値以外に、医療の質向上を目的とした様々な分析に、二次利用できる可能性を持っている。具体的には、臨床試験や業務の効率化、臨床研究や教育、病院経営や医療費削減、業務の効率化による医療従事者の働き方改善や、医療安全などの一部に利用されている。しかし、十分に利活用されていないのが現状である。本ワークショップにおいては、二次利用のためのDWHに保存されている医療情報を利活用した実例を提示することにより、医療情報に携わる医療従事者が、あらたな知識を獲得し、データサイエンティストとして自施設の医療情報を活用し、病院の品質向上に寄与してもらうことを目的としている。
 まず、実例として、診療情報の時系列パターン抽出に関して、臨床的な意義とともに説明する。次に医事データから読み取る業務分析に関する事例と病院の質向上への寄与、続いて、病院ダッシュボードに関する製品紹介の病院経営への利用可能性、最後に実際の病院内で開発したリアルタイムな可視化アプリケーションの紹介を通して、病院における二次利用の意義を説明する。
 以上の実例の紹介を通して、病院における診療データの二次利用が病院の質向上へ寄与することを理解してもらい、それぞれの病院において二次利用がさらに普及することを期待している。さらに、総合討論を通して、演者、参加者が直面している課題に対して、解決方法を検討することも、本ワークショップの目的としている。