Japan Association for Medical Informatics

[2-C-4-02] Standardized Discharge Summary and Patient Referral Document...Viewed from an International Standpoint

*Sunao Watanabe1 (1. Medical Information System Development Center (MEDIS-DC))

HL7 FHIR, information-sharing, IPS, EHDS

2022年4月、コアな診療情報としての退院時サマリーおよび診療情報提供書の記載登録形式として、HL7 FHIRが厚労省標準規格として定められた。記載登録文書の統一規格化により、どの医療ケア機関においても、情報を保有する患者の同意を得ることで容易にこれを閲覧し、必要に応じて取り込み、活用することが可能となったのである。さて、では「何を」コアな診療情報として共有すべきか?厚労省は、この点についても踏み込んだ提言を行い、6情報(病名・アレルギー・キー検査情報・処方・薬剤禁忌・感染症)を特筆的要共有情報として規定した。
 国際的な動向をみると。International Patient Summary(IPS)が注目される。欧州では国境を越えて日常的に人が移動する状況下でコアな医療情報をコンサイスかつ適確に共有できるための基盤が必要であることが痛切に感じられており、CENにおけるIPSの検討と標準化が進み、これを受けるかたちでISO 27269:2021として認定がなされ、1st versionが公表されて実用化に向け検討中である。患者のコア情報を最小限のdata blocksに収めて共有する基盤であるが、その仕様としてHL7 CDAからFHIRへの切り替えが企図されている。さらに欧州委員会には2022年にEuropean Health Data Space(EHDS)法案が提出され2023年には採択の見通しである。ここでは患者のコアな一次医療情報をMyHealth@EUという基盤で統一的に医療機関およびPHRとして共有することが規定され、その中身は現状IPSとePrescriptionの2要素から成っており、仕様はHL7 FHIRでと構想されている。
 我が国での取り組みと同時的かつ軌を一にする展開であり、この国際的動向を十分に認識しつつ遅滞なく適切に推進してゆくことが求められる。