Japan Association for Medical Informatics

[2-C-4-04] Construction of "Kagoshima model" for Functioning/disability Summary based on ICF

*YUMIKO UTO1 (1. Div. of Medical Informatics, Kagoshima University Hospital)

ICF, functioning/disability summary, discharge nursing summary

日本社会は更なる少子高齢化が進む中、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的として、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができる地域包括ケアケアシステムの構築を推進している。地域包括ケアシステムでは、本人のニーズに応じた適切なサービスが包括的に提供され、入退院時にも継続してサービスの提供が行われる必要があり、急性期医療機関から回復期、慢性期、在宅に至るまで、その人の生活機能を共通の指標で評価し、蓄積していくことが重要である。従来看護サマリーがその役割を担ってきたが、介護支援側から看護サマリーだけでは在宅支援において必要な情報が足りないとの指摘を受けている。
 鹿児島県においては、平成27年2月から鹿児島県保健医療圏域「入退院支援ルール」が作られ、入院から在宅までの切れ目のない支援や地域で生活するための情報を様式化している。しかし、標準化を目指して取り組み始めたものの、二次医療圏ごとに少しずつ項目や指標に差異が生じており、県域全般にわたって、情報共有や評価ができにくい様相を呈している。施設を超えた情報交換を行う場合、紙媒体では限界があり、折角の情報提供が2施設間で終わってしまい、その人固有の生活機能評価として継続的に活用されていかない。  
 一方、看護師が記載する看護サマリーの様式も標準的な規定がなく、医師の治療経過や療法士のADLに関する評価等を要約するだけで、看護本来の役割であるその人が望むような生活・暮らしへのライフサポーターの視点での要約になっていないという問題点を抱えている。これらの背景をもとに、看護サマリーの効率化と看護-介護連携を目指して、厚生労働省がひな形を出している「退院・退所情報記録書」とICF(生活機能)準拠の生活機能サマリーについてICT活用も含めた実証実験を「鹿児島モデル」と位置づけ、今後取り組んでいくことを報告する。