Japan Association for Medical Informatics

[2-D-1-02] Current situation and future development of cooperation among pharmacists by regional medical cooperation system

*Nobuyuki Koeda1 (1. Yao Municipal Hospital)

スマートフォンやタブレット端末の普及とともに、ここ数年、医療現場で使用できるIT技術が増えている。特にコロナ禍において、IT技術を用いたオンライン関連技術が医療現場に急速に普及しており、医療者および患者が利活用する時代になりつつある。
薬剤師が関わる医療現場に目を向けると、2000年代頃から調剤業務の効率化を目指して機械化や自動化が進んできた。現在では、複雑な薬物治療を安全かつ効率的に行うために、IT技術を利用した様々な取り組みが行われている。また、医薬分業や在宅医療が進む中で、地域における医療者間での患者情報連携にもIT技術が利用されている。
八尾市立病院が存在する大阪府八尾市でも平成24年12月より地域医療連携システムの運用を開始した。当システムは、患者個別の同意を基本としており、導入当初から病院の電子カルテデータを市内の診療所、歯科診療所、保険薬局と共有している。現在の病診薬連携システムで保険薬局が閲覧できる範囲は、医師の診療記録、処方、注射、アレルギーや副作用などの患者情報、検査値であり、その他に保険薬局からの情報フィードバック機能や情報共有ツールも実装している。
現在の本邦の動きとしては、令和3年にオンライン資格確認システム基盤が稼働し、マイナンバーを持参された方で同意が得られた患者の薬剤情報などの共有が始まった。当院においても令和5年度中に電子処方箋を導入する予定であるが、地域医療連携システムでの情報共有とオンライン資格確認基盤を用いた情報共有とのタスク整理が必要になってくると予想している。
薬剤連携では、処方情報だけでなくアレルギー情報や疑義照会、トレーシングレポート、お薬手帳などの情報連携が必要である。本発表では、今後、どのような情報連携が必要であるのか、現状の課題を含めて整理する。