Japan Association for Medical Informatics

[2-D-1-03] 医療DXにおける病院と薬局をつなぐ情報とは

*Kauzuyuki Ikeda1 (1. Nara Medical University Hospital)

さまざまな分野での情報連携が取り上げられる中、医療においても医療DXとして種々の情報連携が模索されている。特に病院と薬局間の情報連携は、薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループとりまとめ報告でもその重要性が指摘されている。
 日本病院薬剤師会 学術第3小委員会では、薬剤業務における情報化に対応するための課題に関する研究を実施している。この中では病院と薬局の間における電子的な情報連携に必要な最低限の項目セットの検討を行った。情報連携のフォーマットとしては日本病院薬剤師会をはじめ各医療機関からも種々のフォーマットが提示されていた。その中でも今回は、病院から薬局への情報連携に着目し検討を行った。
 全国医療情報プラットフォームでは、3文書・6情報の共有が目指されている。3文書とは診療情報提供書、退院時サマリー、健康診断結果報告書であり、これらはその都度発生する情報ではなく、ある一定の期間や診療の状況(入院や退院など)が変化した際に作成される情報である。したがって薬剤に関する病院と薬局をつなぐ情報においても、本プラットフォーム上で連携する情報は、随時作成される情報ではなく、一定のタイミングで作成すべき情報であると考える。さらに紙の情報では、必要事項は記載者がその都度記載する必要がある。しかし電子的な情報は、既存の情報を引用することが可能であり、どの時点のどの情報を引用したかが明確であれば必ずしもその都度記載する必要はないと考える。これらをふまえ、病院から薬局への電子的な情報連携に関しては、既に標準規格として認められているHS039退院時サマリーHL7 FHIR 記述仕様に関連付けて検討するべきと考える。ワークショップでは、本検討内容について説明した上で参加者とディスカッションを行いたい。