[2-D-1-04] 医療側と薬局との連携のために --かかりつけ薬剤師への情報提供として何が求められるか—
厚労省は2015年に「患者のための薬局ビジョンの策定」を発表し、この中で、患者本位の医薬分業の実現に向けて、服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導、24時間対応・在宅対応、医療機関等との連携など、「かかりつけ薬剤師・薬局」構想の方向性を示した。調剤するだけの薬剤師の業務から、6年の養成期間を経て国家資格を得る薬剤師を、患者の健康管理により深く関与でき,有効な健康サポート業務を果たせるプロフェッショナルとして位置づけるベクトルへの明確化である。望ましい方向性と考えられるが、実際にこの構想発表から7年以上を経過した現在、その実装実践が円滑に進展しているとは必ずしも言えない状況である。
「健康管理できる」薬剤師の業務を可能にするためには情報インフラの実装、および医療情報コンテンツの可用が求められる。 情報インフラとしては電子処方箋による迅速確実な処方情報の伝達、複数医療機関からの処方指示に関して重複や禁忌薬剤の存在の確認等が出来る体制が速やかに浸透することが強く求められる。
では、このインフラが整備実装されることだけで足りるか?決してそうではない。そこに提供されるのが処方情報のみに限定されている場合、かかりつけ薬剤師による健康管理は表面的にならざるを得ないであろう。この患者の身長体重は?腎機能は?特定疾患におけるヘモグロビンの値や顆粒球数は?等の情報なしに意味のある服薬指導は困難であろうし、まずもってこの患者の疾患名が何なのか、その病名列記がない状態で、処方の意味を理解し、適切な疑義照会等の医療側との連絡を実践したり、患者に適確な指導を行うことは困難と思われる。電子処方箋の基盤が進む中で、並行して、この情報コンテンツの整備が必要であり、提供する医療側にもその認識があらためて求められる。講演内では病名等の提供のトライアル実践の結果報告を含めて呈示し、検討に供したい。
「健康管理できる」薬剤師の業務を可能にするためには情報インフラの実装、および医療情報コンテンツの可用が求められる。 情報インフラとしては電子処方箋による迅速確実な処方情報の伝達、複数医療機関からの処方指示に関して重複や禁忌薬剤の存在の確認等が出来る体制が速やかに浸透することが強く求められる。
では、このインフラが整備実装されることだけで足りるか?決してそうではない。そこに提供されるのが処方情報のみに限定されている場合、かかりつけ薬剤師による健康管理は表面的にならざるを得ないであろう。この患者の身長体重は?腎機能は?特定疾患におけるヘモグロビンの値や顆粒球数は?等の情報なしに意味のある服薬指導は困難であろうし、まずもってこの患者の疾患名が何なのか、その病名列記がない状態で、処方の意味を理解し、適切な疑義照会等の医療側との連絡を実践したり、患者に適確な指導を行うことは困難と思われる。電子処方箋の基盤が進む中で、並行して、この情報コンテンツの整備が必要であり、提供する医療側にもその認識があらためて求められる。講演内では病名等の提供のトライアル実践の結果報告を含めて呈示し、検討に供したい。