一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-3-04] 病院情報システム端末における利用継続時間から見た端末の適正配置への取り組み

*阪本 陽子1、村田 泰三1、向井 頼貴1、岡田 佳築2、武田 理宏2 (1. 大阪大学医学部附属病院, 2. 大阪大学医学系研究科)

EHR, Devise Usage Survey, Effective Allocation

当院は2022年1月のシステム更新時、更新前の設置台数と各部署からの増設要望を鑑み約2,600台の病院情報システム端末を設置した。その後、医師事務作業補助者の増員などにより、年間約60台増設することとなり、その費用は周辺機器を含め約1,500万円に及んだ。一方、利用頻度が低い端末も散見され、配置場所による利用状況の不均衡が窺われた。そこで、利用頻度の低い端末を回収することで、端末の適正配置を目指した。
当院の病院情報システムは、ログアウトに加え、ユーザ操作による画面ロックが可能である。また、無操作で30分間放置すると自動的に画面がロックされる。アクセスログとして、ログイン時間、ログアウト時間、画面ロック時間と手動・自動ロックの区別、ロック解除時間が把握可能である。各端末の利用時間をアクセスログから計算した。自動ロックの場合は、自動ロック時間から30分を引いて、リアルな利用時間を算出した。
回収対象は①2022年1月のシステム更新で配置された端末(2022年1月以降に増設された端末を除く。)②2022年1月~12月の1日平均利用時間が10分に満たない端末とした。①②を満たした端末であっても、回収されることで該当部署の業務に多大な影響を与える事情がある場合には、設置部署へ個別のヒアリングを実施することとした。
調査の結果、①②を満たした対象端末は80台(全体数の約3%)であった。それらの端末の設置部署にヒアリングを行い、そのうち、「該当場所に1台のみの設置であり、かつその場所で患者情報が閲覧できないと業務に支障を来すと判断される」端末を回収対象外としたところ、最終的に27台を回収した。今後、一定の設置基準等の基本方針を策定した上で、部署間の不均衡が軽減される端末の配置を実施していきたい。