Japan Association for Medical Informatics

[2-D-3-05] VDI方式を用いた電子カルテシステム導入に伴う放射線部門への影響とその対応

*Hikaru Kudo1, Taro Yoneda1, Shuji Sato1, Satoshi Kimura1, Akira Isobe1, Wataru Miyanaga1, Toru Nagasawa1, Masashi Saito1, Hiroki Ikeda1, Minami Nomura1, Yosuke Kogure1, Yosuke Harada2, Naoki Ueda2, Masafumi Sugimura2, Ryohei Kwatsuru3 (1. 順天堂大学医学部附属順天堂医院, 2. 学校法人順天堂 情報センター本部, 3. 順天堂大学大学院 医学研究科)

Virtual Desktop Infrastructure, Radiology Information System, Two-Factor Authentication

1. 背景・目的
近年VDI(Virtual Desktop Infrastructure)を用い、病院情報システムを仮想基盤上で構築する医療機関が増えている。当院でも2023年1月に従来のクライアントサーバー型電子カルテシステム(以下、電カル)からVDI方式を用いた仮想基盤型電カルへと更新を行った。VDIの導入により、様々な利点を享受できたものの、放射線部門ではその仕様によりいくつか問題も発生した。今回のステム更新の経験からVDIの放射線部門への影響を明らかにし、問題点への対応について報告する。
2. システム概要
仮想環境はXen Desktop(Citrix社製)にて構築し、仮想環境へアクセスするためのローカル端末の二要素認証にはAZON(NDD社製)が導入された。電カルにはCIS+ (IBM社製)が新たに導入され、放射線情報管理システムにはF-RIS(FUJIFILM社製)、放射線画像管理システムにはSYNAPSE Enterprise-PACS(FUJIFILM社製)、循環器動画ネットワーク・レポート管理システムにはCardioAgent Proが前システムから引き続き接続されている。
3. 発生した問題点とその対応
3.1 ログイン問題への対応
放射線部門では一人一端末でのシングルサインオンでは運用上の問題が発生したため、端末ごとのログインIDとパスワードを作成し、ログインできるよう対応した。
3.2 放射線画像のWW/WL調整への対応
電カルより放射線画像を表示した際に細かなWW/WL調整ができない事象が発生したため、テンキーに最適化したWW/WLのショートカットを設定した。
4. 結論
VDIは様々な利点がある反面、その仕様により運用上の問題が発生する可能性がある。そのため十分な検討・対応を行った上で導入する必要がある。