一般社団法人 日本医療情報学会

[2-E-1-01] 地域医療連携ネットワークと全国医療情報プラットフォームとの併用を目指して

*長島 公之1 (1. 日本医師会 常任理事)

medical DX, Regional Health Record Exchange Network, National Health Record Platform

日本医師会では、国の進める医療DXにおける全国医療情報プラットフォーム(全国PF)と地域医療連携ネットワーク(地連)は、機能が異なるので、併用するのが有用であると考えている。全国PFが、いわば、高速道路や新幹線なら、地連は生活道路やローカル線と言えるからである。しかし、実際には、日医総研で行っている全国地連の2022年度調査において、各地連へ、全国PFの影響について質問したところ、今後の地連 の継続を心配している地域は 37.0%あり、具体的影響として、補助金の縮小、打ち切りのみならず、地連事業その ものを打ち切る地域もあった。従って、今後は、併用の必要性・有用性をさらに周知するとともに、全国の地連の運用者と、サービス・ネットワーク事業者が、協力して、全国PFと地連の連携や活用の具体的方法を検討し、実現していく必要がある。まずは、医療DX時代における地連の新しい未来について、各地域の実情に応じて、地連の目的・有用性・効果、運用方法、財源などを再検討するべきである。その際、次のような視点がある。1) 「全国医療情報プラットフォーム」との連携、機能分担、インフラの活用、2)電子カルテ情報の標準化等への対応、3)広域化、全国化(システム・データ連携、同意取得・運用ルールの共通化)、4)PHR(行政・民間)との連携、5)遠隔医療における活用など。特に、システムとしての広域化・全国化や共通化、地連運用・システム更新の業務・費用負担の軽減は重要である。