一般社団法人 日本医療情報学会

[2-E-1-02] 医療DX時代の地連の位置づけと展望 ~サービス事業者 ID-Link からみた地連~

*伊藤 龍史1 (1. 株式会社エスイーシー)

Patient Consent, Amazon Web Service, FHIR, Smart Phone

地域医療連携ネットワークが何から始まったのか?なぜ、”地域” になったのか?その始まりは、2009年6月5日の医政発第 0605009 号の通知である。

”都道府県においては、医療圏単 位での医療機能の強化、医師等の確保等の取組その他の地域における医療に係る課題を解 決するための施策について定める計画(以下「地域医療再生計画」という。)
を作成すると ともに、地域医療再生臨時特例交付金により地域医療再生基金を造成し、これらの施策を実施することが望まれる”

この通知文の記載のとおり、地域ごとに計画を立てた結果、相互接続を考慮しない200以上のネットワークが作られた。ICT の視点から見れば、Amazon、Microsoft、Google等のクラウドサービスがその発展途上にあったこと、ネットワークセキュリティは、閉域網やIPSec VPNが最良の選択肢であるという認識が、地域単位のネットワークを作り出したと考えられる。

現在、「医療DX令和ビジョン2030」にある、全国医療情報プラットフォームによる診療情報共有やオンライン資格確認では地域という概念はなく、マイナンバーカードを持った患者の意思によって全ての医療機関をつなげる考え方に変化している。

この変化は、2010年当時のスマートフォン普及率が9.7%であったものが、2021年には88.6%まで増加していることが要因になっていると考える。

ID-Link も、スマートフォンやマイナンバーカードを通して患者や医療者の意思に基づき、希望する施設が全てが接続できるネットワークへと変化させていく。