一般社団法人 日本医療情報学会

[2-E-1-04] 地域連携ネットワークにおけるDXとは ~サービスを支えるクラウド基盤の視点から~

*石黒 満久1 (1. 株式会社NTTデータ中国  公共事業部)

regional healthcare network, Multi-cloud networking service, cybersecurity

政府が推進する「オンライン資格確認等システム」により、義務化対象医療機関(約21万機関)へのネットワーク導入が進んでいる。 政府はオンライン資格確認を原則義務化するとともに、オンライン請求も原則義務化への移行を進めており、2024年秋の移行を目指すとしている。 「オンライン資格確認等システム」や「マイナンバー保険証」の導入により、患者の同意に基づき、レセプトから派生する薬剤情報や診療履歴、特定健診記録などを取得できるようになった。また、電子処方せん管理サービスの導入により、デジタルデータを活用した診療や服薬指導が行える環境整備が進んでいる。国は「全国医療情報プラットフォーム構想」の一環として、HL7 FHIR(3文書6情報)の情報共有を含め、自治体、保険者、介護現場の情報をオンラインネットワークで収集・活用する情報基盤を構築し、医療DXの向上と普及を目指している。
一方で、デジタルネットワークの世界ではサイバーセキュリティリスクが増大しており、 ランサムウェア攻撃やマルウェア感染など、医療や介護現場における被害報告が後を絶ちません。「医療DXの推進」は同時に「サイバーセキュリティ対策の推進」を意味することを忘れてはなりません。
本セッションでは、私たちが「あじさいネットワーク」におけるの「クラウド・ネットワーク基盤」を提供してきた立場から、これからの医療DXの推進における課題と展望を述べていきます。