Japan Association for Medical Informatics

[2-E-1-05] 長崎県における医療DXの実例、そしてその先へ

*Shinsuke Muto1 (1. Tetsuyu Institute Medical Corporation)

Healthcare DX, Democratization of healthcare, Ajisai Net

海外では新型コロナウイルス感染を契機にデジタル化だけではなくデジタル・トランスフォーメーションの実現に向かっている。日本においてもオンライン診療・オンライン服薬指導の導入が進み、また、治療アプリやAI搭載の医療機器が保険収載されるなど変化が起きつつある。
このように医療従事者と患者を線でつなぐ医療は今後拡大が見込めるが、コミュニティケアの文脈の中では医療DXはどのような進化を遂げるだろうか。
未来を見据えてこの重要な課題を考えるにあたり、長崎で行われている実例は一助となろうであろう。長崎県では約20年前から「あじさいネット」と呼ばれる地域医療情報ネットワークが構築されてきた。主要な医療機関の加入率、住民・患者の登録率、情報共有の頻度などの観点からみても日本でも成功しているネットワークの一つであることは間違いがない。
医療専門家が所有する医療情報を共有して医療の質向上を図ってきた「あじさいネット」にオンライン診療・疾患管理システムYaDocが連携したことにより、長崎県の医療は次のフェーズに入ったと言えるかもしれない。それは患者が生成するデータを医療に利活用する可能性の探求とともに、政府が進めている医療DXを実際の医療現場で進化させていくことができるからだ。
最終的に我々が目指しているのは「医療の民主化」である。長崎県での実例を基に「医療の民主化」という夢についてこのセッションでは語りたい。