一般社団法人 日本医療情報学会

[2-E-1] 医療DX時代の地連の位置づけと展望
~サービス事業者・ネットワーク事業者視点からみた地連~

*松本 武浩1,7、長島 公之2、伊藤 龍史3、田中 良樹4、石黒 満久5、武藤 真祐6 (1. 長崎大学病院 医療情報部、2. 日本医師会常任理事、3. 株式会社エスイーシー、4. 富士通Japan株式会社 ソリューショントランスフォーメーション本部、5. 株式会社NTTデータ中国 公共事業部、6. 医療法人社団 鉄祐会、7. NPO法人 長崎県地域医療連携システム協議会)

新型コロナ感染症によるパンデミックはわが国医療の脆弱性を露見させ、ピーク時には、発熱外来が破綻し受診難民すら発生した。感染者の一部は自宅療養を強いられ自宅療養死さえも経験した。医療従事者は疲弊し、救急医療と一般医療をも機能制限を余儀なくされる未曾有の事態に至った。これらの最大原因とされたのは、医療分野における情報化の遅れである。特にEHRの利活用不足に加え情報通信機器を使ったtelemedicineの未普及は地域医療崩壊に直結した。
これに対し政府は、これまで及び腰だった医療DX推進姿勢を一転させ、マイナンバーカードの保険証利用と現行保険証の廃止、オンライン資格確認の義務化、電子処方箋の運用開始に加え、3文書6情報の共有を予定している全国医療情報プラットフォーム構築と、矢継ぎ早に医療DX関連政策を繰り出した。これらはほぼ半年間に発表された政策であり、政府の本気度を伺わせる。しかしながら、全国医療情報プラットフォームは実質的に、政府主導の地域連携ネットワーク(地連)とも言えるため、機能重複による今後の進め方に不安を抱いている全国の地連関係者は少なくない。
本企画では、我が国のEHRにおけるデファクトスタンダード化したSEC社のID-Linkおよび富士通社のHuman Bridgeの開発者ならびにこのようなEHRが多機能化していく上のプラットフォームデータセンターとしてサービス提供するNTTデータ中国社の担当者およびtelemedicineの代表としてインテグリティ・ヘルスケア社代表に登壇いただき、サービス提供側視点からの地連の評価を発展性、今後の全国医療情報プラットフォームを踏まえた位置づけについてご講演いただき今後の地連のあるべき姿、発展していく方向性について議論し発信する。