一般社団法人 日本医療情報学会

[2-E-3-01] ICD-11コーディング導入に向けたガイドシステムとデータベース構築

*谷川 智宏1、樫村 菜穂1、三田 岳彦1、渡邊 佳代1、阿南 誠1、秋山 祐治1 (1. 川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部 医療情報学科)

ICD-11, Guide System, Standard Disease Names Master

ICD-11は、病名コードの一覧であったICD-10から、疾病概念を含む臨床現場に即した情報体系へと進化し、今後、臨床研究や政策立案への活用が期待される。しかし、患者の状態を正確にコーディングできなければ、誤った分析、誤った判断へと導く可能性がある。しかし、ICD-10においてもコーディングの精度は決して高いとはいえず、ICD-11の新しい概念やルールにより、コーディング精度がさらに低下することが懸念される。そこで、本研究では、わが国のICD-11コーディング導入に向け、正確で精度の高いコーディングが効率よく行える「ICD-11ガイドシステム」を開発し、Web上に公開することを目的としている。
開発するシステムは、ICD-11の体系やコーディングルールについてICD-10からの変更点を中心に効率よく学習できる機能、ならびにICD-11コーディングが効率よく行える機能を有するものとする。このシステムで利用するデータベース構築に際して、電子カルテシステム等で広く活用されているMEDISのICD-10対応標準病名マスターに収載されている病名や修飾語のICD-11コーディングを行った。システム自体はLMSとして世界的に活用されているMoodleにより構築している。