Japan Association for Medical Informatics

[2-E-3-02] 病院情報システムでの利用に最適化した院内研修システムの開発

*Atsushi Ohsaga1, Tetsu Kimura2, Kouhei Sasabuchi2, Ikuko Kobayashi2 (1. 東北医科薬科大学医学部, 2. 秋田大学医学部附属病院)

Educational System, Hospital Information Systems, Staff Development

【背景・目的】医療の高度化・複雑化に伴い、病院職員が受講する研修は年々増加し、効率的な研修実施が期待されている。院内では、職種により情報機器の利用環境が異なるため、各職種が共通して利用できる病院情報システム(HIS)に研修システムを構築し、集合研修とオンデマンド動画研修を総合的に運用するシステムを構築することとした。
【システム概要】システムは、管理サーバ、動画配信サーバ、クライアントで構成される。管理サーバはHISの利用者・所属情報を連携し、研修主催者における受講者の把握作業を軽減するものとした。動画配信サーバは、RTMPの受信機能とHLS形式による配信機能を有し、オンデマンド配信とライブ配信を可能とした。クライアントは、HIS端末での利用に最適化するため、1)動画視聴中のスクリーンセーバおよびOS自動ログオフ機能の無効化と、視聴中の端末操作抑制、2)動画視聴と連動したオーディオデバイスの有効/無効制御、3)複数利用者が1端末で共同視聴した際の受講者登録、の機能を実装した。また、システム機能では、本院での研修実施形態に合わせ、1)受講義務の設定と達成状況の表示、2)複数の研修種別の共催機能、3)院内各部署での自部署職員の受講状況確認、4)HDMIキャプチャデバイスを用いたHIS端末での研修収録とアップロード機能、を実装した。
【機能評価】開発したシステムの利用について、研修主催者側の業務と、参加者の動画視聴の状況を検討した。システムの導入前は、各研修の主催者が研修の開催の都度、受講対象者を把握し、受講状況を手作業で確認・集計する必要があり、半日~1日を要していたが、本システムでは、受講対象者は病院情報システムの利用者情報で網羅され、受講状況の集計作業も不要となり、大幅な省力化が実現できた。また、動画視聴の状況からは、深夜帯の病棟端末など、勤務状況に応じた利活用が確認された。